会社は倒産したけど、義父本人は自己破産を選ばないように弁護士さんに依頼していたようでした。最悪な状況の中でも保証人に少しでも良いように、形がつくまでは弁護士事務所通いをしていました。
私は幼い頃の借金の取立てを思い出して、金運が悪い私が嫁いでしまったからこうなったの?私のせい?などと思うようになってしまいました。
この時は、あぶない債権先が無かったからか、悪質な取立てに悩まされる事はありませんでした。
変な話ですが、きわめて紳士的な印象でした。これは社長であった義父が逃げないで誠意を持って対処していたからでしょう。今でも先方の担当者の神妙な表情は思い出します。
義父は、倒産によって解雇となる従業員のこれからのことも考えて、取引先に声をかけて再就職を斡旋していました。
労働基準局(だったと思う)などにも出かけて、未払い給与や見込み退職金などの国庫金の立替えも依頼しました。
一旦国庫金で立替払いをしてもらってから、その分の請求が会社代表者あてに来るというシステムになっているようです。
このシステムは従業員が会社を訴えるという形を取りますので、事件のような扱いで新聞に載るのです。労働基準局からそういう説明を受けても、義父は社員の生活を考えて「俺はいいから、そうしてくれ。」と、事を運びました。
普通は出来ないことだと思います。こういう状況の中でも立派な人だったと尊敬しています。
監督署の方では、従業員が来局する時には私達と日時が重ならないように配慮してくれました。(私は社長の家族になっているから従業員から反感を買うでしょうという意味で。)
私の後輩は、自分もこの会社に恩があるからと残務処理を申し出てくれました。しかし、もちろん無給なので、気持ちだけありがたく頂戴しておきました。
こういう後輩に育ってくれた事は、とても嬉しく思いました。今でも大事な友達です。
従業員に各書類を送ったり連絡を取ったりしていましたが、これで最後のやり取りという時に、当然のように書類を受け取る従業員の中で、「・・・・・、あと、○○(私のこと)さんには本当に色々やってもらって感謝してます。」と思いがけない言葉を言ってくれた人がいました。胸が温かくなりました。
皆にとっても、今までとは全く違う環境になってしまう会社の倒産。実際に、会社のものを盗んでいく人もいました。
そんな中で、人を労う感謝の言葉を言えるだろうか。私もそういう事が言える人間になりたい。
この事態が落ち着くまでは、再就職できずに失業手当で暮らしていました。実母を心配させてしまいましたが、なんとかなると思っていました。
私の立場も微妙で、実家に一旦帰った方が良いのか迷いましたが、私も貯金が500万ほどありましたので、この人達を支えねばと又よけいな使命感で嫁いだまま居残りました
その貯金ももちろん、泡のようになくなりましたけど
私はつくづく金運がないのか?と思いました。
お金に好かれる人間になりたいと思います
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